『少年ジャンプ+』のおすすめ連載作品3選!『ふつうの軽音部』『ケントゥリア』『サンキューピッチ』

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ジャンプラこと「少年ジャンプ+」とは?

少年ジャンプ+、通称ジャンプラは集英社が提供するスマホ・タブレット向けのマンガ雑誌アプリです。

少年ジャンプの人気マンガ家による新作や歴代作品、さらにジャンプラオリジナル作品が毎日無料で読めるほか、週刊少年ジャンプを購読することもできます。

10周年を迎えるジャンプラは、オリジナル作品のアニメ化も数多く輩出しており、今なお多くの読み応えのある作品が連載されています。まさに現代マンガの潮流を生み出していると言っても過言ではなく、これからも注目すべきマンガアプリのひとつです。

今日はそのジャンプラで個人的に注目している作品を3つ紹介します。

『ふつうの軽音部』リアルな高校生活とふつうじゃないキャラクターたち

ふつうの軽音部 1 (ジャンプコミックス)

原作:クワハリ先生、作画:出内テツオ先生による『ふつうの軽音部』は、2024年1月14日から日曜更新で連載開始、現在単行本が4巻まで発売され、「次にくるマンガ大賞2024」で1位、「このマンガがすごい!2025 オトコ編」で2位を受賞するなど、多くの話題を集めています。

物語は、高校一年生の鳥野ちひろが、andymori・銀杏BOYZ・Hump Back・ナンバーガールなど渋めの邦楽ロックを愛し、高校入学を機に軽音部に入るためギターを購入する場面から始まります。

「ふつうの」というタイトル通り、高校の軽音部にありがちな「あるある」がリアルに描かれています。バンド内の恋愛模様や気まずい別れ、軽いノリで決まるバンド名、高校生特有の気恥ずかしいLINEのやりとりなど、多感な時期の人間関係をコミカルかつリアルに表現しています。

一方で、「ふつうの」とありながら、全くふつうではない個性的なキャラクターも登場します。中でも、同じバンド仲間の幸山厘が、ちひろを世間に知らしめるために策をめぐらせてあの手この手で、バンドを成功に導く様にも注目です。彼女の「機熟…!」(機は熟したの略)という言葉が出るたびにちひろたちの運命がどう変わるのかワクワクするとともに、そこはかとない不安に駆られるのもこのマンガの魅力のひとつとなっています。

本作の魅力は、高校生たちの内面が詳細に描かれている点です。同級生の何気ない一言がトラウマになったり、友人を気にして本音を言えなかったりと、等身大の悩みや抵抗が細やかに表現されています。その中で、かれらの「ふつう」に見える姿が実は「個性」にあふれていることに気付かされます。

ちひろたちのバンド活動を通じて、「ふつうの」高校生たちの青春の悲喜こもごもが楽しめる『ふつうの軽音部』。その注目度から今後のアニメ化も大いに期待されるので、今から追ってみるのはいかがでしょうか?

『ケントゥリア』残機100!?新たなダークファンタジーの誕生

ケントゥリア 1 (ジャンプコミックス)

暗森透先生作の『ケントゥリア』は、2024年4月8日より毎週月曜より連載が開始され、現在単行本は3巻まで発売されています。

物語は、密航者として奴隷船に潜り込んだユリアンが、100人の奴隷とともに大陸を目指す旅の途中、不思議な存在と出会い、100人分の命と力を体に宿すという驚異的な力を得るところから始まります。この「100回死ぬまで死なない」という特異な力は、ユリアンに強大な力を与える一方で、彼を様々な存在から狙われる存在へと変えてしまいます。

Wikipediaによると、ケントゥリアとはラテン語で「百(人)の集まり」を意味します。このタイトルの通り、ユリアンの力の根源は100人の命にあります。物語では、この限定的な不死性を持つユリアンと彼の仲間たちが様々な敵と対峙しながらも、仲間に託された赤ん坊のディアナを守りながら戦う過酷な運命が描かれます。

そんな過酷な状況の中でありながら、訪れる土地で出会う人々の善意や絆に触れる様子が描かれており、最初に訪れた村では家族のように迎え入れられます。暗森先生の当作品の前にジャンプラに掲載された読切作品『不朽のミザール』では、不死人と美術収集家の奇妙な交流が描かれますが、根底には先生ならでは「優しさ」を強く感じます。『ケントゥリア』でもそうですが、一見殺伐として冷酷な世界でありながら、どこか人の「善性」を感じられ、過酷な展開でもどこか救いがある内容が印象的です。

また絵柄については作風もあってか暗く荒削りな印象があり好みは分かれるとは思いますが、バトルシーンの緻密で迫力のある描写は一見の価値があります。

ストーリーについても、ユリアンの力や彼が庇護するディアナの出生、その力を与えた不思議な存在など謎も多くあり、これからの展開が楽しみな作品です。

『サンキューピッチ』野球+策略+変態!変化球すぎる野球マンガ!

サンキューピッチ 1 (ジャンプコミックス)

住吉九先生の『サンキューピッチ』は、2024年9月3日より隔週火曜で連載されており、単行本1巻が発売されたばかりです。

この作品を紹介する前にここで質問です。一般的なスポーツマンガの魅力とは何でしょうか?「熱いドラマと感動」?「努力と友情」?「リアリティと爽快感」?

この作品にはこれらの要素はほとんど言ってよいほど見当たりません。ジャンルとしては野球マンガではあるものの、はっきり言って純粋なスポーツを楽しむといった要素は皆無と言って差し支えない特殊な作品です。

こう言うと単なるディスりに聞こえますが、この作品の真骨頂はそこには無く、いかに知略を巡らせて相手を出し抜くか、どれだけ敵の裏をかけるか、はたまたある時はいつ味方を裏切るか、といった野球マンガらしからぬ「頭脳戦」や「策略」という要素が魅力の作品です。

物語は、イップスによって一日に三球しか全力投球できない桐山不折が、野球部のキャプテンである小堀へいたの誘いで部に入部するところから始まります。投手としては致命的な欠点を持つ桐山をいかに使って試合に勝つかといった頭脳戦が繰り広げられる点がこの作品の見どころです。

前作『ハイパーインフレーション』でも奇抜な設定で奇想天外な展開を描いた住吉先生ですが、そのもう一つの特徴はキャラクターのクセの強さです。『ハイパーインフレーション』では体から偽札を生み出す能力を持ちつつ、その偽札を生み出す描写から何人もの読者の性癖を破壊したルークや、金のみが行動原理の源のグレシャムなど、枚挙に暇が無いほどの個性的なキャラクターが魅力ですが、今回も負けず劣らず個性の強いキャラクターが登場します。

先ほど紹介した桐山は野球の勝負にしか興味が無く、我慢しきれずにロージンバックをキメたり、コミュ力が高校生離れの部長の小堀は、その多様な交友関係によって不可能と思えるような試合を組んだり、目的のためには仲間を陥れることも厭わない、善良そうに見えて実は作品一のサイコパスという一面を持っていたりします。

私の個人的なイチオシは野球部監督の阿川先生ですが、彼女も野球部の顧問でありながら全く野球の知識が無く、しょっちゅう酔っ払っていてそしてデカい。ネットでの人気を見ても同様なようで、住吉先生がまた分かりやすく読者の性癖を壊しにかかってきてるのを、私含めてまんまと釣られているのが面白いです。

連載開始して間もないためまだ話数も少ないですが、今後も様々なキャラクターが登場すると思われるので、彼らが描く奇想天外な展開が期待されます。

まだまだ魅力的な作品がいっぱいな『ジャンプ+』

今回は、少年ジャンプ+で連載中のオリジナル作品『ふつうの軽音部』『ケントゥリア』『サンキューピッチ』の3作品を紹介しました。

これ以外にも、まだまだ魅力的な作品がたくさん連載されているジャンプラですが、連載だけでなく読切も見応えあるものが続々と掲載されています。

今後も他の連載作品や読切、また別出版社のアプリである『マガポケ』や『サンデーうぇぶり』などの作品も紹介していきたいと思います。

少年ジャンプ+

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